preface 〜はじめに〜
社会人としての「飲み」を実践しましょう!
酒宴にもいろいろあります。親しい友人だけで囲む席もあれば、上司とサシで日頃の仕事ぶりについてのお小言を頂戴する席もあります。はたまた取引先を接待する席・取引先に接待される席もあります。
この中で、仕事の延長上にある酒宴は注意が必要です。仕事の「延長上」とは、結局は「仕事中」であるからです。
この部分を誤解していると、何かと苦労してしまいます。
酔って正体をなくしてしまうことが常であるのならば、仕事の延長上にある酒席では固い決意をもって「飲まない」ことです!その日だけ「飲めない体質である」と言ったところで、上司も同僚も咎めるどころか、むしろ「コイツ大分ワカッテきたなぁ〜」とその成長ぶりに少々感心し安心するだけです。
多少酔ってもいい酒席であるのか、許されない酒席であるのか、−−もう学生ではないのですから−−頭を働かせて事前によく判断することです。酒ぐせの悪さが出世を阻むことはよくあります。
入社したての若者のみならず、中堅ビジネスパーソンにも再度確認しておいていただきたいマナーを掲げます。
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chapter 001 お酒の度数
お酒の種類に応じた度数を知っておきましょう!
お酒のアルコール度数を知らないで、勧められるがままグイグイ飲んでしまったために、早く酔ってしまって酒席で大失敗した・・・・よくあるケースです。
お酒を通して良好な人間関係を築きたければ、自分の酒量の限界を知っておくことです。そのためには、お酒の種類とアルコール度数の関係をまず覚えましょう。
- 清酒・・・・16〜20%
- ビール・・・・2〜8%
- ワイン・・・・10%
- ウイスキー・・・・43〜51%
- ブランデー・・・・40〜52%
- ジン・・・・33〜52%
- ウォッカ・・・・45〜50%
- 泡盛・・・・27〜50%
- リキュール・・・・18〜45%
さらに、次の目安も知っておくことです。
- ビールの大瓶1本=清酒360ml(2合)
- ビールの大瓶1本=ウイスキーの水割り2杯
もはや限界(これ以上飲んだらヤバい・・・)という段階にまで来たら、「もう十分にいただきましたので・・・」と勧められたお酒を断っても失礼ではありません。
なお、体調によって許容量は変わります。また、年齢とともに許容量も変わっていくものです。年齢とともに強くなっていく人もいれば、逆に弱くなっていく人もいます。いずれにせよ、酔い方は一緒でも翌日の残り具合は明らかに違ってきます。ことに40歳を過ぎたら深酒はしない方が無難です。
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chapter 002 公私のけじめ
公的な酒席・私的な酒席の違いを理解していますか?
酒席には、公的なものと私的なものがあります。
取引先の人と仕事のしめくくりに行くのは「公的な酒席」ですが、同僚と疲れを癒すために行くのは「私的な酒席」です。
この公私がつい乱れがちになります。
たとえば、公的な触れ合いで飲み始めた取引先の人を自分の私的な溜まり場にしているバーに案内するとしましょう。客を連れて来たのだから店では大歓迎してくれますが、たまに嫌がる人もいます。「私的」な世界の会話・親密さに気後れしてしまうのが原因のようです。これが今後の取引の発展に微妙に影響を及ぼすこともあります。
この事態を未然に防ぐためには、事前に相手の了解を得るか、バーのママに仕事の延長で行くから相応の応対にするよう頼んでおくとよいでしょう。
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chapter 003 献酬
「献酬」はほどほどに
宴会あるいは数人がテーブルを囲んで飲むときに、盛んに盃の献酬をしようとする人がいます。同じ盃のお酒を飲み合って信頼感を演出しようとする慣習ではありますが、今どき流行りません。もはや古い慣習であることは疑いようのない事実であるようです。
特にあなたが管理職以上で、「献酬」を若かりし頃にかつての上司から仕込まれて「伝統」として守っているようでしたら、今後部下には強要しないことをお勧めします。
なぜならば、酒量には個人差があるからです。
もし酌をするのであれば、最初の1〜2杯にとどめ、後はそれぞれが自分の好みのペースで楽しみつつ、状況と様子に応じて和やかに注ぎあいをすればよいことです。
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chapter 004 中座
中座するのは失礼か
パーティーや小さな宴会で、意に反して少し早く酔ってしまう場合があります。
まだ閉会までには時間がありそうだし、二次会もありそうです・・・。
こんなときは、酔いをこらえて最後までつき合うよりも、適当なチャンスに中座した方がスマートです。
主催者にお礼を述べてそっと座を外すもよし、お礼の言葉を書いたメモを残して消えるもよし、あるいは会場となっている店の人に一言メッセージを託して立ち去るのもよしです。
酔ってしまっているのに無理につき合っていて、後で周囲に迷惑をかけたり心配させるよりも、中座する方が理にかなっています。
また、酔っていなくても、早く帰宅しなければならない等の事情があるときには、一次会から二次会に移る直前のタイミングを利用して目立たないように消えるとよいでしょう。
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chapter 005 無礼講
今日は無礼講で!といわれたけれど・・・
上司が「今日は無礼講だ」と宣言したら、あなたはどうしますか?
一般的に、「公的な酒席」に無礼講はありえません。また、「公的」とまではいかなくても、少なくとも上司が混ざる酒席であれば無礼講はありえません。
「今日は無礼講だから、日頃思っていること・感じていることを忌憚なく語り合おう。」との上司の言葉に乗じて、うかうかと会社の方針批判をしたために、またなれなれしく−−タメ口で−−上司に話し掛けたがために、とんでもない減点を食らうことは実際にあります。
では、どうしたらいいのか。
上司の言う「無礼講」とは、そもそもが部下たちに前向きな考えをどしどし出させるブレインストーミングの機会であると捉えることです。上司は会社の方針に沿っていて、しかも前向きなプラス方向の提言を聞きたいのです。これだったら、明るく楽しい酒宴にとりあえずはなりますよね。
丁寧にしかも謙虚な姿勢で「ここをこうすれば、もっとよくなると思います・伸ばせるはずです。」と熱心にかつ真面目に話すことです。
演技でも差し支えないのです。
なお、中間管理職である上司が無礼講を口実に、酔いに任せて自分から進んで役員や会社の経営方針を非難しまくることがあります。人によっては、「所詮自分にもイヤ〜な上司である部長がいて、自分が課員に対してする以上に、理不尽で不当な命令ばかりを自分に突きつけてくる」という−−部下には見えづらい−−悲惨な状況を告白することで、部下の同情を得て自分にとってやりやすい環境をつくり出したいがためにわざとやるケースもあります。
上司に魂胆があろうとなかろうと、乗せられて「あの加齢臭部長、家に帰れば奥さんにはフニャチンの生ゴミ扱いされ、娘さんには腐ったウンコ呼ばわりされて無視されて小さくなっているいるくせに、会社ではふんぞり返ってエラソーにしていますよねェ〜」などと絶対に口走ってはなりません(・・・よほどのことがない限りここまで徹底的にコキおろすことはないとは思いますが、悪口を言う以上は五十歩百歩です)。
この場合の賢い部下の態度としては、「肯定も否定もせず黙って聞く」に限ります。
ちなみに、「愚痴り酒」は別の機会に同僚と存分にやってください。その際に「アホ課長」・「馬鹿部長」・「インポ常務」の悪口だけに終始することなく、自分が課長だったら・・・部長だったら・・・常務だったら・・・という前提で、課を、部を、そして会社全体をよくするための施政方針演説をしてください。
無能上司の批判だけでもかなりスカッとしますが、ドロドロした上層部人事のしがらみとは無縁の、責任のない者同士でする施政方針演説は、正論にして当を得ていて非の打ちどころのない理想論の展開となります。非常に前向きになれて、明日への活力が沸いてくるものです。是非試してみてください。
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